コーチ「alecks」が語るPaper Rex、前進を続ける「W Gaming」の秘訣。

Paper Rex

Paper Rexの現在のコアメンバーであるf0rsakeN、jinggg、d4v41、mindfreakの4名は既にこの頃から活動しており、Pacificの中では最もメンバーの変更が少ないチームの1つです。 プロゲーマーはその性質から同じメンバーで活動を続ける事の方が稀であると言え、同メンバーで長期間活動を行っているからこそのユニークな構成やクリエイティブなプレイスタイルを確立する事ができているのは彼らの強みの1つです。

今回紹介するのはコーチのAlex 'alecks' Salleの記事。彼らPRXを支えるクリエイティブな要素はどこから来ているのか・・・を紹介します。

彼らのスタイルは「W Gaming」と呼ばれ、多くの観客を魅了してきました。 そのスタイルはコーチ「alecks」を中心にチーム全体で「家族」の様な形を取っている事が何よりの特徴でしょう。 Paper Rexはトーナメントに勝つことを目指して参加するのではなく、練習の中で目標設定を行い、特定のマップのプレイ方法について結論を出すことを目指して戦略をテストし、コミュニケーションと連携力を改善しています。 「挑戦的に学習を行う事が必要です。チームメイトにとっての目標を難しくする必要があり、自身を常に押し上げ、自己練習の時間を持つ必要があります」 とalecksは述べていて、Paper Rexがあくまで選手達の創造性を刺激し、クリエイティブな練習を意識していることが伝わります。

PRXは通常、午後1時に個々の練習を始め、午後3時にスクリムを開始します。 彼らは通常、3~4回のスクリムを行い、それらを一緒に見てフィードバックを行います。 そして、午後8時から9時頃には終了します。 「私は彼らのスクリムでのパフォーマンスを見て、エネルギーを出し切れているかどうか、たとえば十分に睡眠をとったかどうかを見ています」と彼は共有しています。

「そういった事が頻繁に起こると、私たち練習をもう少し楽しくすべきだと気づきます。」

単調さを打破するために、チームで時々一緒に夕食に出かけたり、例えば、意図的にお互いにもっとパーソナルな空間を与えたりします。「海外にいるとき、私たちは家族が恋しいです。長い一日の練習の後、あなたはチームメイトを見たくないかもしれません」とalecksは言います。「彼らは私の顔を長く見たくないので、私たちが自分たちの場所を持っているのは良いことです。」

もちろん、彼らの関係は一方通行ではありません。PRXのコーチも、プレイヤーが自分たちの意見を表現できるようにしています。

「私はここでPaper Rexの考えを代弁します。私たちはプレイヤーが理解され、聞かれ、価値を見いだされることに重きを置いていて、私は皆が自分の意見を言えるようにし、常に幸せな気分を保つように努めています。」

「私はコーチとしてもっと厳しくなることがよくありました。上手くいかないと、私は叫びます。コーチを就任してしばらくたって、それがうまくいかないこない事に気づきます」

とalecksはコーチとしての日々を振り返り、物事がうまくいかないときにはネガティブに焦点を当てるのが簡単で、それが終わらないサイクルになることを理解しています。 一部のプレイヤーはこういったを処理できたかもしれませんが、彼はそれが最善ではないと気づきました。

時間の経過とともに、Paper Rexのフラットな組織構造のおかげで、彼は自己評価や他者評価との話し合いを何度も行った後、徐々にコーチングスタイルを変え、上司やプレイヤーからフィードバックを受け取りました。 「彼らが私がラインを越えていると思うなら、私に言うことができ、理解します。もちろん、それはプレイヤーにも当てはまります。彼らは期待を理解しています。」とalecksは言い、同じ意味で、彼も「厳しすぎる」と感じるなら、プレイヤーに言うことを期待しています。

彼は30代半ばで、チームの全員よりも年上で、これはユニークな反応を生み出します。彼らは色々な事柄について話します、社会生活から心からの話題まで。

「私は人生のコーチであり、たまたまValorantのコーチでもあります」

「私が彼らとたくさん遊んでいるので、私の脳は20代半ばから後半だと思っています。私のユーモアの感覚は彼らと同じです。彼らがより人間として成長していくのを見るのは素晴らしいことです。私は彼らが人々と話すことができない、またはインタビューをすることができない典型的なeスポーツプレイヤーになることを望んでいません」とalecksは言います。

「私もまた学んでいる最中です。時には彼らにアドバイスを求めます、それは終わりません。私たちは皆学んでいて、それはとても楽しい事です。」