VCT Pacific 2027の新フォーマットを解説:大会構成、プロへの道、競技シーンの変化
2027年シーズンに向けてVCTの大会構造が根本から変わろうとしており、VCT Pacificも例外ではない。新フォーマットは、APAC全域でオープンな競争を広げ、実力に応じて上位大会を目指せる仕組みを整えることを目的としている。フランチャイズ時代の従来の大会形式に代わり、複数の大会がつながるCups中心のシステムが導入される。
地域別のオープン予選、出場成績に応じた金銭的な支援、複数都市でのオフライン大会を組み合わせることで、パートナーチーム、非パートナーチーム、Premier出身チームのいずれにも、国際大会を目指す明確な道筋が用意される。
オープンな競技システムへの移行
VCT Pacific 2027の再編で最も重視されているのは、パートナー契約の有無にかかわらず、すべてのチームが実力で世界大会への出場権を獲得できる環境を作ることだ。
新フォーマットでは、従来のStage 1とStage 2の大会形式が廃止される。シーズン開幕を飾るKickoffは継続されるものの、その後はMastersとChampionsへの出場権につながる2つの地域大会「Cups」が開催される。
各地域のファンが会場で試合を観戦できる機会を増やすため、2027年のVCT Pacific主要大会は以下の3都市で開催される。
- Kickoff: タイ・バンコク
- Cup 1: フィリピン・マニラ
- Cup 2: 日本・東京
各主要大会には12チームが出場し、全試合がLAN環境で行われる。MastersやChampionsへの出場権に加え、大会成績に応じた金銭的な報酬も用意されており、APAC地域のチーム運営を支える仕組みとなっている。
VCT Pacific 2027の大会日程と世界大会への出場ルート
2027年のVCT Pacificは、Masters Seoul、Masters Valencia、Champions Austinという3つの国際大会に直接つながる構成となる。
- シーズンはバンコクでのKickoffから開幕し、上位3チームがMasters Seoulへの出場権を獲得する。
- 続いてマニラでCup 1が開催され、Masters Valenciaの出場チームを決める地域予選としての役割を担う。
- シーズン最後のCup 2は東京で開催され、Champions Austinに出場するAPAC代表チームを決定する。
地域別の出場枠と配分
APACは地理的に広く、各地域の選手層も多様なため、それぞれの状況に合わせた出場枠の配分が必要となる。地域Cupsでは、直接出場枠を持つ6つの地域とLCQに、合計12枠が割り当てられる。
VCT Pacific Cupsの出場枠は、以下のように配分される。
この出場枠の仕組みにより、各地域のパートナーチームがすべて好成績を収めた場合でも、オープン予選から参加するチームにはCupsへの出場機会が確保される。
直接出場枠のない南アジアとオセアニアにも、LCQを通じてCupsを目指すルートが用意されている。
プロへの道:予選から本大会までの仕組み
地域の競技シーンからVCT Pacificの主要大会を目指すには、複数の段階を勝ち抜く必要がある。新たな予選システムでは、一度の敗戦でシーズンが終わらないよう、各チームに複数の挑戦機会が設けられている。
オープン予選と再挑戦の仕組み
- 非パートナーチームやPremier出身チームは、各地域のオープン予選から大会への挑戦を始める。
- 継続的なチーム育成を支援するため、各地域ではシーズンを通じて複数回のオープン予選が開催される。
- 最初のオープン予選で敗退したチームも、同地域で開催される次のオープン予選に再び登録できる。これにより、一度の敗戦でシーズン全体の挑戦が終わることはない。
プレイインとMasters出場チームのシード優遇
- オープン予選を勝ち抜いたチームに加え、KickoffやCup 1に出場したチームも、各地域のプレイインに参加できる。
- プレイインでは、地域プレーオフの上位4シードに入るチームを決定する。
- 国際大会で結果を残したチームには、次の地域大会に向けた大きなアドバンテージが与えられる。
- Masters SeoulまたはMasters Valenciaへの出場権を獲得したチームは、次のサイクルのオープン予選とプレイインが免除され、地域プレーオフの上位4シードに直接入ることができる。
地域プレーオフとラストチャンス予選
各地域のプレーオフには上位8チームが出場し、Cupsへの直接出場権を懸けて戦う。
直接出場枠を獲得できなかったチームにも、主要大会へ進む最後の機会として2種類のラストチャンス予選(LCQ)が用意される。
- Kickoff LCQ(4チーム):
- 南アジア: 2チーム
- オセアニア: 2チーム
- SEA Kickoffプレーオフ: 準優勝チーム
優勝チームは、バンコクで開催される12チーム制のKickoffへの出場権を獲得する。
- Pacific LCQ(8チーム): 地域プレーオフ終了直後に開催され、以下のチームが出場する。
- 南アジア: 2チーム
- オセアニア: 1チーム
- ベトナム: 地域プレーオフ第2シード
- タイ: 地域プレーオフ第2・第3シード
- インドネシア: 地域プレーオフ第2・第3シード
Pacific LCQの優勝チームが、次のCupにおける12番目の最後の出場枠を獲得する。
パートナーチームの扱い
2027年シーズンでは、VCT Pacificのパートナー組織8チームが新たな競技システムに参加する。ただし、新フォーマットでパートナー契約によって保証される権利は限定的だ。
パートナーチームに出場が保証されるのはシーズン開幕のKickoffのみで、Cup 1とCup 2への出場権は保証されない。
VCT 2027の全パートナーチームについては、こちらの記事で詳しく紹介している。
- Kickoffには12チームが出場する。内訳はパートナーチーム8チームと、韓国、日本、SEA、Kickoff LCQの各地域予選を通じて出場権を獲得するオープンチーム4チームだ。
- パートナーチームがKickoffからMasters 1、またはCup 1からMasters 2への出場権を獲得できなかった場合、次の主要大会への出場資格は自動的には維持されない。
- その場合、各地域のプレイインに戻って出場権を争う必要がある。
- さらにプレイインでも結果を残せなければ、一般のチームと同じようにオープン予選から再挑戦しなければならない。
この仕組みでは、すべての試合結果が次の大会への出場資格に直結する。どの競技レベルでも、実力によって勝ち上がることが求められる。
賞金・報酬制度と競技シーンの持続可能性
オープンな大会システムの導入に合わせて、Riot Gamesは主要大会に進出した非パートナーチームへの固定報酬制度も新設した。
オープン予選からKickoffまたはCupsへの出場権を獲得したチームには、大会ごとに10万米ドルの固定報酬が保証される。
この制度は、競技で結果を残したチームに報い、独立系eスポーツ組織の安定した運営を支えるとともに、APAC全域の新たな才能が上位大会へ挑戦する際の負担を軽減することを目的としている。
VCTに関する最新情報は、今後もゲームやeスポーツのニュースを随時お届けするTHESPIKE.GGをぜひチェックしてほしい。
アイキャッチ画像:Riot Games
最新ニュース
コメント
vct 2023
VCT 2023に関するすべての情報は、VCT Hubでご確認ください。このページでは、チームやリーグなどに関するすべての質問や詳細について、FAQをご覧いただけます。