VCT 2026 Stage 2、ヴァンダルとファントムのピック率を比較 地域で分かれた武器メタ
ヴァンダルとファントムのどちらを選ぶべきかという議論は、VALORANTのリリース当初から続いている。 ヴァンダルは、距離を問わずヘッドショット1発で相手を倒せるのが最大の強み。一方のファントムは、より速い連射速度と大きなマガジン、弾道が見えないこと、スプレーの制御しやすさで優れるが、距離によってダメージが減衰する。
一般プレイヤーの間では使用感や個人の経験をもとに語られることも多いが、プロシーンでは実戦データから両武器の傾向を見ることができる。
VCT 2026 Stage 2のAmericas、EMEA、Pacificで記録された95,451ラウンド分のデータを分析すると、プロシーンでも武器選択は一枚岩ではない。地域によってヴァンダルとファントムのピック率には大きな差があり、さらに購入1回あたりのキル数では、ピック率とは逆の傾向も表れている。
全体ではファントムが優勢
3地域を合算すると、VCT 2026 Stage 2で最も多く選ばれたメインライフルはファントムだった。
ファントムは合計29,930回購入され、ピック率は31.36%。ヴァンダルは26,892回、28.17%となり、ファントムが3.19ポイント上回っている。 ただし、この全体数字だけでは実態を捉えきれない。
ファントムがすべての地域で優勢だったわけではなく、全体でトップになった背景にはAmericasでの高いピック率がある。地域別に見ると、それぞれ異なる武器選択の傾向が浮かび上がる。
3地域で分かれたヴァンダル/ファントムのメタ
Americas:ファントムが40%超
VALORANT Champions Tour 2026 - Americas Stage 2では、ファントムが圧倒的に多く選ばれた。 購入回数は12,764回で、ピック率は40.78%。一方のヴァンダルは5,678回、18.14%にとどまり、ファントムはヴァンダルの2倍以上選ばれている。
近~中距離での交戦や、弾道を見せずにスモーク越しを撃てる点、複数の敵に対するスプレーなど、ファントムの特徴を活かしやすい状況が多いことも、この選択傾向につながっていると考えられる。
EMEA:ヴァンダルが35%でトップ
EMEAではAmericasと正反対の傾向が出た。
VALORANT Champions Tour 2026 - EMEA Stage 2ではヴァンダルが10,916回購入され、ピック率は35.07%。ファントムは7,632回、24.52%だった。
距離を問わずヘッドショット1発で倒せるヴァンダルは、長い射線での撃ち合いやクロスファイアでも強みを発揮する。EMEAでは、そうした特性を持つヴァンダルが明確に優勢となった。
Pacific:わずか2.32ポイント差
Pacificは、AmericasとEMEAの中間に位置する。
VALORANT Champions Tour 2026 - Pacific Stage 2ではヴァンダルが10,298回購入され、ピック率は31.19%。ファントムは9,534回、28.87%だった。
差はわずか2.32ポイント。3地域の中では最も拮抗しており、マップや攻守、使用エージェント、選手のプレースタイルなどに応じて両ライフルが使い分けられていたことがうかがえる。
ピック率とは逆? 購入1回あたりのキル数
ピック率から分かるのは、選手がどちらの武器を多く購入したかだ。
一方、それぞれの総キル数を総購入回数で割った「Kills per Buy(購入1回あたりのキル数)」を見ると、別の傾向が表れる。
今回の3地域では、ピック率が低かった側のライフルが、すべてKills per Buyでは上回った。
- Americas: ファントムがヴァンダルの2倍以上選ばれた一方、Kills per Buyはヴァンダルが2.55、ファントムが1.37だった。
- EMEA: ヴァンダルがピック率トップだったが、Kills per Buyではファントムが2.20、ヴァンダルが1.60となった。
- Pacific: ピック率が最も拮抗した地域でも、やや選択率の低かったファントムが1.93で、ヴァンダルの1.78を上回った。
| 地域 | 武器 | ピック率 | 総購入回数 | 総キル数 | Kills per Buy |
|---|---|---|---|---|---|
| Americas | ヴァンダル | 18.14% | 5,678 | 14,507 | 2.55 |
| Americas | ファントム | 40.78% | 12,764 | 17,525 | 1.37 |
| EMEA | ヴァンダル | 35.07% | 10,916 | 17,450 | 1.60 |
| EMEA | ファントム | 24.52% | 7,632 | 16,820 | 2.20 |
| Pacific | ヴァンダル | 31.19% | 10,298 | 18,308 | 1.78 |
| Pacific | ファントム | 28.87% | 9,534 | 18,448 | 1.93 |
なぜピック率とKills per Buyが逆転するのか
この逆転には、武器が購入される状況の違いが影響している可能性がある。
- 定番武器は幅広い状況で購入される: 地域内で主流となっているライフルは、有利なフルバイだけでなく、厳しいリテイクや勝率の低いラウンド、経済状況が苦しい場面などでも選ばれる。そのため、購入1回あたりの平均キル数もさまざまな状況の影響を受ける。
- 使用率の低い武器は購入場面が限定されやすい: 一方、普段あまり選ばれないライフルは、特定のマップや射線、エージェント構成、選手自身の得意武器など、明確な理由がある場面で選ばれるケースが増える。Americasでヴァンダル、EMEAでファントムを選ぶ場合、こうした限定的な購入がKills per Buyを押し上げている可能性がある。
この数字だけから、ピック率の低い武器そのものが「より強い」と結論づけることはできない。Kills per Buyには、どの選手が、どのラウンド状況で、どのマップやポジションから購入したかといった条件も影響するためだ。
データから見えるポイント
VCT 2026 Stage 2のデータからは、ヴァンダルとファントムの選択について3つの特徴が見える。
- 地域ごとのメタには大きな差がある: Americasではファントムが40.78%、EMEAではヴァンダルが35.07%と、主流武器がはっきり分かれた。一方、Pacificでは31.19%対28.87%とほぼ互角だった。
- ピック率とKills per Buyは一致しない: 3地域すべてで、ピック率が低かった側のライフルがKills per Buyでは上回った。3地域を合算するとヴァンダルが1.87、ファントムが1.76で、ヴァンダルがわずかに高い。
- 武器選択はマップや役割によって変わる: 近距離戦やスモーク越しの撃ち合いではファントム、長い射線では距離減衰のないヴァンダルと、それぞれの特徴を活かせる場面は異なる。エージェントの役割やポジション、選手自身の得意武器も選択に影響する。
VCT Stage 2のデータを見る限り、VALORANTに「常に正しい」ライフルが一つあるわけではない。
全体ではファントムのピック率が上回ったが、Americasではファントム、EMEAではヴァンダル、Pacificではほぼ互角と、地域ごとの選択には大きな違いがあった。
さらに、Kills per Buyでは各地域でピック率の低い武器が上回っている。ただし、これは単純な武器性能の優劣ではなく、購入される状況や選手、マップなどの条件も含めて見る必要がある。
ヴァンダルかファントムか。その答えは、地域のメタだけでなく、マップ、ポジション、エージェント、経済状況、そして選手自身のスタイルによって変わる。
VCTに関する最新情報は、今後もゲーム・eスポーツの最新ニュースをお届けするTHESPIKE.GGでチェックしてほしい。
特集画像:Riot Games
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