VCT Pacificの視聴ピークが42.8%減、Americasに首位譲る 2027年「ホーム地域制」は何を変えるのか
VCT Pacificの視聴ピークが42.8%減、Americasに首位譲る 2027年「ホーム地域制」は何を変えるのか
VALORANT Champions Tour 2026 - Pacific Stage 2は9月6日に閉幕した。Global EsportsとNongshim RedForceによるグランドファイナルまで約1カ月半にわたって行われたStage 2だが、視聴者数ではこれまでとは違う結果が残った。
Esports Chartsが9月7日に公開したデータによると、VCT Pacific Stage 2のピーク視聴者数は約30万5300人。Stage 1から42.8%減少し、平均視聴者数も20.5%落ち込んだ。
翌8日に公開されたVALORANT Champions Tour 2026 - Americas Stage 2の集計では、Americas Stage 2がグランドファイナルで52万2800人を記録。Pacificを約21万7500人上回り、2026年の地域別Stage 2で最大のピーク視聴者数となった。
ただ、Pacificの数字を単純な「人気低下」とするには注意が必要だ。
Stage 2の総視聴時間は2250万時間で、Stage 1から10%増えている。減ったのは大会を通じて積み上げた視聴時間ではなく、平均とピークだった。
そしてEsports Chartsは、その背景として一つのチームを挙げている。
Paper Rexの早期敗退で変わった視聴ピーク
Paper RexはStage 1を制したが、Stage 2ではプレーオフのLower Bracket Round 2でVARRELに1-2で敗れ、トップ4入りを逃した。
Esports Chartsは、Pacificのピーク視聴者数が大きく下がった主因として、このPaper Rexの早期敗退を挙げている。
同時に、複数の言語配信でも数字が落ちた。
英語配信の平均視聴者数はStage 1の約4万6000人から約3万1300人へ減少。ベトナム語とインドネシア語の配信も、平均視聴者数が約半分になったという。
ここで重要なのは、特定の国やチーム構成と視聴者減を直接結びつけないことだ。
Stage 2ではPaper Rexが早い段階で姿を消した。英語、ベトナム語、インドネシア語でも視聴者が減った。一方で総視聴時間そのものは増えている。
少なくとも今回の数字から読み取れるのは、Pacificの視聴規模が、どのチームが勝ち残るかによって大きく動き得るという点までだ。
Americasでは逆の動きも見られた。
100 ThievesとLOUDによるグランドファイナルは52万2800人に到達。Americas Stage 2のピーク視聴者数はStage 1比77%増となった。一方、平均視聴者数は10.8%減っている。
「大会の人気」を一つの数字だけで測るのは難しい。
2027年、Pacificの入口は8地域に分かれる
そのタイミングで、Riot Gamesは9月8日にVCT 2027 Open Qualifiersの初期詳細を発表した。
オープン予選は11月にスタートする。
2027年のVCT Pacific Kickoffは12チーム制。8つのパートナーチームに加え、4チームがOpen Qualifiersから出場する。
Pacificでは、予選の入口が以下の8地域に分けられる。
- 韓国
- 日本
- タイ
- インドネシア
- ベトナム
- 東南アジア
- 南アジア
- オセアニア
Open Qualifiersを勝ち上がったチームはKickoffだけでなく、その後のCups、Masters、Championsまで進める可能性がある。
2026年までのChallengersからAscensionを目指す長期的な昇格ルートとは異なり、2027年はシーズン中に複数回、オープンチームがVCTの主要大会へ入る機会を持つ。
Pacificにとって大きいのは、単に「オープン枠が4つになる」ことだけではない。
競技の入口そのものが、日本、韓国、タイ、インドネシアなど各地域に置かれる。
Leo Faria氏「Tier 2ではなくpartner teamsとopen teams」
同日、VALORANT Esports Global HeadのLeo Faria氏はXで、2027年のVCTをどう捉えるべきかについても言及した。
Faria氏は、コミュニティがどの呼び方を使うかは自由だとしたうえで、「Tier 2」という表現をなくしたいと投稿。2027年のVCTについて「partner teams」と「open teams」が一つの競技ティアで戦う構造だと説明した。
「league」という呼称についても同様で、今後はすべてを「tournament」と捉えるよう提案している。
これは4月以降、Riotが発表してきた2027年の大会改革とも一致する。
長期のレギュラーシーズンはCupsへ置き換わり、オープンチームにも世界大会まで進めるルートが用意される。
Faria氏は別の返信で、地域との結びつきについてさらに具体的に説明した。
パートナーかオープンかを問わず、各チームはホーム地域を選択し、原則として5人中3人をその地域の選手で構成するロスター規定に従う。既存のパートナーチームについては、移行を円滑にするため現在のロスターに経過措置を設けるとしている。
つまり2027年は、「どの組織がどこの国に拠点を置いているか」だけではなく、競技制度上もチームと地域の関係が明示される。
ただし、8地域それぞれにパートナーチームの枠が保証されるわけではない。
Faria氏は別の返信で、パートナー選考では地域代表性を考慮する一方、地域ごとの固定枠は設けないと明言している。
「ホーム地域」はPacificの視聴者数を増やすのか
ここはまだ答えを出せない。
Paper Rexが早期敗退したStage 2でピーク視聴者数が42.8%減ったからといって、2027年に地域別Open Qualifiersを導入すれば数字が回復するとは限らない。
人気チームが勝ち進むか。新しいオープンチームがどこまで上位へ進めるか。各地域でどのチームがファンを獲得するか。
制度だけでは決まらない部分が大きい。
一方、2027年の変更によって、Pacificのチームと地域の結びつきは今より明確になる。
日本からは日本のOpen Qualifier、タイからはタイ、インドネシアからはインドネシア。そこを勝ち上がったチームには、同じシーズンのKickoffやCups、さらにMasters、Championsまで進む道がある。
パートナーチームにもホーム地域が設定され、ロスター構成にも地域要件が入る。
Riotがパートナー選考で地域代表性を考慮すると明言している点も含め、2027年は「Pacific」という一つの大きな地域の中で、各ローカルシーンとの接点を増やす構造になる。
ただ、それと視聴者数の増加は同じ話ではない。
2026 Stage 2が示したのは、Paper Rexのような巨大なファンベースを持つチームが大会全体のピークに与える影響の大きさだった。
2027年に問われるのは、その存在を置き換えられるかではない。
各地域から新しいチームがVCTへ入る仕組みを作ることで、Pacificの視聴者が応援する対象をどこまで広げられるのか。
最初の答えが見えるのは、11月に始まるOpen Qualifiersになる。
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