日本勢とChampions出場チーム、何が違った? VCT Pacific Stage 2をデータで比較
日本勢は本当に「撃ち合い」で負けたのか? VCT Pacific Stage 2、DFM・ZETAとGE・NSを比較
VALORANT Champions Tour 2026 - Pacific Stage 2は9月6日に閉幕し、日本勢のDetonatioN FocusMeは9-10位、ZETA DIVISIONは11-12位で大会を終えた。優勝したGlobal Esportsと準優勝のNongshim RedForceは、Stage 2の上位2枠からChampions Shanghaiへの出場を決めている。
日本勢と、Stage 2を最後まで勝ち進んだ2チームの差はどこにあったのか。
ZETA DIVISIONは戦闘指標でも上位2チームとの差が出た。一方、DetonatioN FocusMeは様子が違う。チームK/DやADRは決勝2チームから大きく離れておらず、ファーストキル率ではGlobal Esports、Nongshim RedForceを上回っていた。
それでもDFMはPlay-Inで敗退し、GEとNSはグランドファイナルまで進んだ。
本稿ではChampions出場4チーム全体ではなく、Stage 2そのものの成績差を見るため、1位のGEと2位のNSを比較対象とする。チームK/D、ADR、KPR、KAST、ファーストキルと、最終的なマップ・シリーズ戦績からDFMとZETAの大会を振り返る。
※戦闘関連の指標はTHESPIKEのStage 2イベント統計に掲載された各選手の数字をチーム単位で集計。DFMは同ページで公開されている22マップ、484ラウンド分を対象としている。マップ・シリーズ戦績は大会全体の結果を基準とし、DFMの全23マップを含む。
DFMの戦闘指標は決勝2チームから離れていない
まずは4チームの戦闘成績を並べたい。
| チーム | チームK/D | 5人平均ADR | チームKPR | 5人平均KAST | FK率 | FK-FD |
|---|---|---|---|---|---|---|
| DetonatioN FocusMe | 1.00 | 132.0 | 3.51 | 71.6% | 50.4% | +4 |
| ZETA DIVISION | 0.90 | 126.7 | 3.32 | 69.0% | 45.4% | -41 |
| Global Esports | 1.06 | 135.0 | 3.58 | 7.0% | 50.2% | +2 |
| Nongshim RedForce | 1.06 | 133.4 | 3.60 | 72.0% | 48.6% | -19 |
GEとNSのチームK/Dはともに1.06。DFMは1.00で下回ったものの、平均ADRは132.0でNSとの差が1.4、GEとの差も3.0だった。
チームKPRは3.51。GEの3.58、NSの3.60とは0.1未満の差に収まる。KAST平均もDFMが71.6%、決勝2チームが72.0%だった。
DFMがGE、NSと同じ戦闘成績だったわけではない。それでも、敗退を「撃ち合いでまったく通用しなかった」と片付ける数字でもない。
ZETAはチームK/D0.90、平均ADR126.7、チームKPR3.32。KASTも69.0%で、4チーム中いずれも最も低かった。
同じ日本勢でも、ここですでに差がある。
ファーストキル率はDFMが4チーム最高
DFMが決勝2チームを上回った指標もある。
ファーストキルだ。
DFMは484ラウンドで244FK、240FD。FK率は50.4%で、差し引き+4だった。
GEは313FK、311FDで50.2%。NSは329FK、348FDで48.6%となっている。
DFMのFK率は、この4チームでは最も高い。
特にNSはFK-FDが-19。それでもPlay-Inを突破し、プレーオフではPaper Rex、Gen.G Esports、GEを下してグランドファイナルへ進んだ。
ファーストキルの数字だけから、ラウンド中の判断や戦術の優劣までは分からない。ただし、DFMと決勝2チームとの差が「最初の1キルを取れるかどうか」にあったとは言いにくい。
少なくともファーストキルの頻度では、DFMは決勝2チームに劣っていなかった。
差が広がったのはマップとシリーズの結果
戦闘指標では比較的近かったDFMだが、大会結果まで進むと開きが大きくなる。
| チーム | マップ戦績 | マップ勝率 | シリーズ戦績 | ストレート敗戦 |
|---|---|---|---|---|
| DetonatioN FocusMe | 12勝11敗 | 52.2% | 5勝4敗 | 2 |
| ZETA DIVISION | 8勝12敗 | 40.0% | 3勝5敗 | 3 |
| Global Esports | 19勝10敗 | 65.5% | 7勝3敗 | 0 |
| Nongshim RedForce | 19勝13敗 | 59.4% | 7勝4敗 | 0 |
DFMのマップ勝率は52.2%。NSは59.4%、優勝したGEは65.5%まで伸びた。
シリーズの負け方にも違いがある。
GEはStage 2で3敗したが、すべて1-2。NSもグループステージでの3敗はいずれも1-2で、残る1敗はグランドファイナルの2-3だった。両チームとも大会を通じてストレート負けがない。
DFMは4敗中2試合、ZETAは5敗中3試合で1マップも取れずに敗れた。
ここから「DFMは5v4が弱かった」「ミッドラウンドに問題があった」と原因を決めることはできない。今回の公開データでは、4チームの5v4勝率、設置後勝率、リテイク成功率などを同じ条件で比較できないためだ。
確認できるのは、DFMが決勝2チームと同等以上の頻度で最初のキルを取りながら、その近さがマップ勝率や最終順位には残らなかったという点までになる。
ZETAはDFMと同じ説明では括れない
ZETAについては、DFMとは違う読み方が必要だ。
FK率は45.4%で、FK-FDは-41。チームK/D0.90、KPR3.32も決勝2チームだけでなくDFMを下回った。
DFMでは、最初の1キルを取った後にどこで差が生まれたのか、という問いが残る。ZETAの場合、その前段階にあたる戦闘指標から差が出ている。
だから、日本勢のStage 2をまとめて「人数有利を勝ち切れなかった」とするのも正確ではない。
DFMとZETAでは、差が数字に表れた段階が違った。
「もっと撃ち合いに勝つ」だけではDFMの敗退を説明できない
日本勢の課題を一つの言葉でまとめることはできない。
ZETAには、戦闘出力そのものの差が数字として残った。一方、DFMで次に調べるべきなのは、その先だ。
ファーストキル後の5v4、設置後、リテイク。そうしたデータまで揃えば、DFMが最初の1キルを取った後、どこで決勝2チームとの差が生まれていたのかをさらに検証できる。
少なくともStage 2の数字を見る限り、DFMの敗退を「撃ち合いで負けた」の一言で終わらせることはできない。
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